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×雑記:女性天皇問題

#Attention!
個人的に(朝日の口車に乗るわけではないが)皇族にいちいち敬称を付ける気がしないので、継承はすべて略してあります。気分を害される人は読まないようにしてください。(時が時ならこれでも不敬罪で逮捕されるんだよなぁ…)

まだ国民レベルの関心事とは言えないまでも、女性天皇問題というのがここ数年ほどで問題化されてきた。ご存じない方のために補足しておくと、女性天皇問題とは、現在の皇太子であり第一位皇位継承者である徳仁親王と、第二位継承者文仁親王の両者及び他宮家に男子の子供がいないため、今のままでは実質次の次、下手すれば次の代を最後に血筋が途絶えてしまうという問題だ。
ここで、「あれ?確か今の皇太子さんには愛子ちゃんっていう子供がいたよね?」という話になる。確かにそのとおりで、女子の子供は徳仁親王にも、文仁親王にもいる。ではこの子らをその次の世継ぎとしては駄目なのだろうか、というのが女性天皇問題だ。

まず、ことの発端となっている、世継ぎを男系男子のみと定めた皇室典範第一条を見てみよう。

第1章 皇位継承

第1条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。


戦後のGHQの指導によってかなりの部分が変更された現皇室典範だが、この「男系男子」という項目は残された。この第一条の条文に従って千数百年の間皇位は継承されてきたわけだが、では歴史的に女性天皇という一点の例外もなかったのだろうか。
女性天皇、と言われてまず思い出すのが、あの聖徳太子を摂政として皇位についた推古天皇だ。そして実はその他にも、歴史上これだけの数の女性天皇が存在した。

第33代 推古天皇 592年-628年
第35代 皇極天皇 642年-645年
第37代 斎明天皇 665年-661年※皇極天皇の重祚
第41代 持統天皇 690年-697年
第43代 元明天皇 707年-715年
第44代 元正天皇 715年-724年
第46代 孝謙天皇 749年-758年
第48代 称徳天皇 764年-770年※孝謙天皇の重祚
第109代 明正天皇 1629年-1643年
第117代 後桜町天皇 1762年-1770年
#重祚とは同じ人物が2回皇位につくこと


そう言われると、「なぁんだ、これだけいたなら女性が天皇についても何の問題もないんじゃないか」と思われるかもしれないが、実はそうではない。上記の女性天皇に共通することとして、全て未婚であるか、少なくとも在位中は結婚しなかったか、もしくは皇后だった、ということがある。つまり、民間人の夫を持った人は一人もいないのだ。
これは、過去の女性天皇が、国内情勢が不安定な時などにおける中継ぎ的な役割で皇位を継承したからだ。彼女らは自らの職務を全うした後、皇族内の別の男子に行為を譲った。つまりは「男系男子」の枠の中とはいえないまでも、「男系女子」というギリギリの部分で行われてきたことだった。
現在の女性天皇問題において、もし皇室典範の「男系男子」が改められ、「男系女子」や「女系女子」が認められる結果となった場合、新しく即位する女性天皇は民間から配偶者を取る可能性がある。この違いはおわかりいただけると思う。

さて、ここで少し話を変えて、天皇の問題に関する国民の温度差について少し書きたい。
ここまでつらつらと何人もの皇族の名前を挙げてきたが、実際にこの中で名前を知っていた、という人は何人いただろうか?僕はほんの数人だった。正直なところ、秋篠宮という名前は知っていても、文仁親王という名前は調べるまで知らなかった。
きっちりとしたアンケートをとったわけではないので確かなことは言えないが、皇族や皇室というものに対して僕と同じような程度の知識しか持たない人はかなり多いんじゃないだろうか。そしてその一方で、いわゆるナショナリストと言われる人たちは相当な知識を蓄えている。この差はどこからくるのだろう。
その元となっているのは“興味の差”だ。日本という国はかなり変わった国で、自分の国の象徴とされている天皇に対して興味を持っていない人が(僕も含めて)かなりの割合で存在する。それはある意味で、アメリカ的民主主義が根付いた成果とも言えるかもしれないが、翻せば伝統というものに対する圧倒的な無関心が確かに存在するという証拠でもある。
それがいいことなのか、悪いことなのかは別として、新しきを求め古きを省みない現在の一部の日本人の風潮は、おそらく第二次大戦を“過去の過ち”と教えられてきた結果の、“尊敬できない過去”から来てるんじゃないだろうか。つまり、過去は悪い→過去から続くものは悪い→新しいものがいい、という三段論法、というとちょっと乱暴かもしれないが、少なくとも敗戦前後の歴史部分についてはそう言えると思う。明治や江戸以前はともかくとして。
その結果、この女性天皇問題にしても、「この男女同権の時代に、男系男子のみなんて伝統はもはや合わない。女性天皇を認めるべきだ」という意見が大勢を占め(あるアンケートでは過半数が女性天皇には賛成)、男系男子という伝統に拠り所を求める一部の人たちが押し流されている、というかたちになっている。

さて、話を戻そう。現行の制度ではこのままでは世継ぎ断絶、という事態に陥ってしまう可能性があることは述べた。ではそれを回避する方法は、皇室典範を変えることしかないのだろうか。
実は、もう一つ方法がある。それは“十一宮家の皇族復帰”だ。
宮家とは、まさに皇統の断絶を回避するために皇族の身分を許された家柄のことで、現在は秋篠宮、常陸宮、三笠宮、桂宮、高円宮の5つがある。これらの宮家それぞれについて、1965年の秋篠宮文仁氏以降男子が生まれていないため、現在の問題となっているわけだ。
これ以外に、第二次大戦前には11の宮家が存在していたが、GHQの戦後処理によって、皇族から離脱させられることとなった。これを元に戻せば、世継ぎ問題は解決する、というのが反対派の意見だ。
では、これを戻せば何か悪いことがあるのだろうか?
最も大きい問題として、皇室に関する予算が今より大幅に増える、ということがある。
現在宮内庁及び皇室費として、現在年額およそ180億円前後が拠出されている。これが一気に倍になる、とかいうことはないだろうが、このうち皇族費と呼ばれる予算は、1宮家に対して約3000万円が認められているので、単純に3億3000万円は確実に増えるだろう。
つまり、『国民がそれだけのお金を拠出しても「男系男子」という伝統を守りたいか』、という一点に話は収束する。

さてここまで問題となっている部分について書いてきたが、ここからは天皇というものについての自分なりの考えを書きたいと思う。
普段の生活において、僕が天皇という存在を意識するということはまずない。せいぜいがたまにゴールデンで放送される皇室特集とかをテレビ欄で見て、「面白い番組やってないな」と思う程度だ。
日本国憲法において、天皇は「国民の総意に基づいて」国家の象徴とされているわけだが、ここの時点ですでに矛盾を孕んでいることはお気づきだろうと思う。一部の、いわゆる左派と呼ばれる人たちは「天皇など必要ない」と主張しているからだ。だがそれでも、「天皇は必要か」という国民投票を行ったなら、ほぼ100%「必要」が過半数を占めるだろう。
では、「なぜ天皇は必要なのか?」という部分を考えてみたい。
天皇の必要性の一つとして、その象徴性がある。つまり、日本が日本たるアイデンティティの一つだ、ということだ。日本を定義づける要素、と言い換えてもいい。これは結構重要なことだとは思う。
日本がヨーロッパ諸国と外交関係を結ぶ際、日本という国が多くの欧州諸国と同じ「立憲君主国」(&議会制民主主義)であるということは、歴史的にも文化的にもとても共感を得やすいし、また、皇(王)族同士での付き合いというものも行える。このメリットは見過ごすことは出来ない。
もう一つは、上で少し触れた、外交への影響だ。ご存知の通り、現在の天皇をはじめ、皇族各人はかなりハードなスケジュールで外交活動を行っている。これらが日本にもたらす経済効果を詳しく算出したデータは残念ながら見つからなかったが、少なく見積もっても年間の皇室にかける費用の一部分を補って余りあると思う。
そして最後の一つが「権威付け」だ。千数百年の長きに渡って日本の象徴としてあり続けた「皇帝」が、例えば内閣総理大臣を任命する、例えば最高裁裁判長を任命する、というある種の自己満足的な権威付け、任命作業の装飾を行うことが出来る、という点だ。これには大して意義を感じないという人も多いかもしれないが、メリットの一つではある。
蛇足だが、現在世界で「皇位」を称しているのは日本の天皇だけだそうだ。国際的な儀礼に則れば、皇位≧法王>王位>大統領>首相だそうで、日本の天皇は世界で唯一ローマ法王と同列で食事の出来る人物らしい。あくまでも儀礼上なので、実際の地位などとは何の関係もないが。

以上のことから、僕自身は「天皇は必要だ」という結論を得ている。もちろん、必要とはいえ大戦前のような特権を与えることには反対で、あくまでも現行の制度のままであればという前提条件の上でそう思っている。必要というよりかは、存在するデメリットよりメリットの方が多いな、という感じだ。
では女性天皇問題についてはどうなのか。これについては典範を変えるべき、つまり女系天皇を認めるべきというスタンスにある。理由は「男系男子」という伝統に一片の価値も感じないからだ。
一部の女性天皇反対論者は「伝統」という一点において思考が停止してしまっている。長く続いているものだから、変えるべきではない、で議論が終了しているのだ。もしくは、今まで変えられることのなかった部分が変わってしまうことで、天皇の神秘性が崩れてしまうのではないか、と恐れている。
だがそんな危惧はいまさら必要ない。なぜなら、二次大戦に敗れ、GHQによって旧皇室典範が書き換えられた時すでに天皇の神秘性は失われてしまっているからだ。今の日本国民の中に「天皇は神だ」なんて思ってる人なんていやしない。
天皇はあくまでも「普通の人」であり、「制度に囲われた可哀そうな人間」であり、「日本の国益のために文字通り滅私して働いているある種尊敬できる人」なのだ。
そして、例え皇室典範の「男系男子」が「女系女子も可」と改められたとしても、何も変わらない。女性天皇が誕生したとしても、相変わらず天皇は国民の象徴で、国民の人柱なのだ。ここに、一部の右派ナショナリストと一般の国民の温度差がある。

最初に書いたように、この問題はあまり一般の国民の間では話題になっていない。それは、天皇という存在に対する国民の無関心からくることではあるだろうが、憲法によって「日本の象徴」と定められている存在に関する問題だけに、また、日本国民の血税を毎年180億円余りも使って維持している機関の話だけに、意識を喚起して、もう少し知って考えてから結論を出して欲しいと思う。

蛇足:
この問題を考える時に中村八洋という人の本を読んだのだけど、前半部はまだしも、後半部が全く役に立たなかった。あの本を読んで、攻撃的ナショナリズムという思想の恐ろしさを垣間見た気がする。気をつけねば。

雑記:女性天皇問題2に続く

【関連サイト(参考サイト)】
Wikipedia - 天皇
http://ja.wikipedia.org/wiki/天皇
Wikipedia - 宮家
http://ja.wikipedia.org/wiki/宮家
女性天皇についての予備知識
http://members.at.infoseek.co.jp/masa_n/column/011201.htm
皇室典範
http://www.houko.com/00/01/S22/003.HTM
宮内庁 - 予算
http://www.kunaicho.go.jp/15/d15-03.html

・女性天皇反対意見:
Web版正論 - 天皇制度の護持へ男系維持
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2005/0506/opi1.html
・賛成意見
同 - 直系を柱に男女双系で継承
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2005/0506/opi2.html
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