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×雑記:参議院選挙雑感その2 教育改革

参議院選挙前の各党の政策比較第2回は、教育改革に関する政策について。教育は安倍首相が特に重点的に改革を進めている分野で、政権発足後からわずか数ヶ月の間にすでに教育基本法の改正や教員免許更新制などの改革を済ませ、さらに9月入学の普及や高校卒業後から大学入学までの間に奉仕活動を行わせるような新制度も実施を考えているとされている。
ここ10年来の校内暴力件数の著しい増加傾向一つを見ても、教育改革の必要性は社会保障制度改革や財政改革、景気対策に比肩して高いと感じられる。戦後の詰め込み式教育から現代に合った教育体制への移行がスムーズに行かず、新しい日本独自の教育の形が求められている中で、各党の政策は今後の日本の方向性を決める重要な指針となるため、今回の選挙でもかなり重要な部分として比較して見ていきたい。
■自民党

教員免許更新制度の導入、実施や大学における優秀教員の表彰などにより教員の質の向上を図る。幼児教育の無償化を目指す。教育指導要綱を見直し、習熟度別指導や全国学力調査などを通じて学力の向上を目指す。特色のある私学の振興し、私学助成の充実に努める。


■民主党

子供1人あたり2万6000円の「子ども手当て」を支給する。公立高校の授業料を無料化。教育への財政支出を現行の5割増しを目安に拡張する。教員の養成過程を6年に延長し、研修内容も充実させることで教員の質を向上させる。親や地域住民が学校運営に参加できる「学校理事会」を設置。


安倍首相が特に力を入れているとされる教育改革だが、どうにもやりたいことの形が見えてこないというのが正直なところだ。教育基本法の改正、指導要綱の見直し、免許更新制の導入、ゆとり教育の撤廃、大学9月入学の推進、奉仕活動の強制などなど、教育現場に対する締め付け強化策ばかり取られてきているのは、これまでの日教組などの教職員労組主導の現場体制へのカウンターパンチというのはわかるのだが、それだけで本当に日本の教育が再生すると考えているのだろうか。これでは単なるかつての詰め込み教育復古にしか思えない。誰でも考えればわかることだが、鞭をふるったのなら飴も与えなければ物事は良くならない。教員や現場に対する締め付けだけ強めて、「さぁ優秀な人材の皆さん教師になりませんか」なんて言ったところで人が集まるわけがない。

民主党のマニュフェストにも書かれている通り、日本の教育への財政支出(公財政支出教育費)は先進国でも群を抜いて低い。GDP比で見れば、本来ならば現行+5~6兆円程度が国際的な教育予算水準だ。特に高等教育に対する公的支出は2002年のデータでCDP比0.4%と1%前後が普通な先進諸国と比較してあまりにも低く、それを同じくGDP比で0.6%という非常に高い私費負担でなんとか補っているというのが現状である。(参考資料:データから見る日本の教育 2006年度版)
これほど低い教育予算でも今まで世界トップレベルの学力を維持できたのは、ひとえに「詰め込み学習」と揶揄された徹底的に知識のみを詰め込ませる学習方式のおかげだったのだが、それがゆとり教育で崩壊した今となっては、理想ばかり先走って金も人材もない、というどうしようもない状態となっているという他ない。本来であれば、ゆとり教育導入時に教育予算の増額と教員の質の向上を同時に行っておくべきだった。それができないのなら、ゆとり教育の理想など掲げるべきではなかったのだ。

よって教育改革を叫ぶのであれば、まず解決すべき問題は教育予算の増額、特に高等教育に対する更なる公的支出と制度設計であるというのが個人的な意見だ。その点で見れば、民主党のマニュフェストに書かれている『教育予算の5割増し』や『高等教育の無償化』はまさにジャストフィットであり、民主党には今の教育問題の根本原因が見えているということで評価できる。また、教員の養成課程を延長するのも非常に良い。
ただ民主党案でひとつ気がかりなのは、例によって「子ども手当て」だ。前回の衆議院選のときもそうだったが、相変わらず年収による給付制限がない。しかも財源も「税支出の無駄を削って充てます」という不明瞭なもの。こんな単なる主婦層へのアピール政策は、マイナスイメージのほうを多く生むと思うのでいい加減引っ込めてもらいたい。

一方自民党は、幼児教育の無償化などとは謳っているものの、全体的に「これ以上教育予算を増やしたくない」というのが見え見えで、教育政策に関して言えばほとんど期待が持てない。現在進めている教育改革と呼ばれているものは、単なる安倍首相個人の自己満足であり、教育現場に対する嫌がらせでしかない。
安倍首相が本気で教育を立ち直らせたいのであれば、まず考えるべきは「教員の質の向上」ではなく「教員志望者の質の向上」のはずだ。労働条件を緩和せずにただ締め付けだけを強めれば、教師になりたいと思う優秀な人の数も減り、結果教員の質はまず低下する。しかも、1学級あたりの生徒数が、初等教育でOECD平均の21.6人に対して28.6人、前期中等教育で23.9人に対して34.0人という教師不足の日本で、鞭だけを振るって報酬を増やさないことがどれほどの愚が、普通であれば想像がつきそうなものだ。

さらに個人的意見を付け加えるならば、現在言われているような学校教育の荒廃を改善するには、中央集権的な今の学校管理態勢を強めるよりは、各学校それぞれに一定の権限とそれに伴う予算、そして責任を与え、それぞれの学校が特色ある学校運営を行えるようにサポートを行う方が効果があると考える。例えば体罰の是非一つ取ってみても、全国一律的に行って良いとかダメとか決めるのではなく、体罰を許可している学校、一切禁止している学校、など色々な学校があってもいいのではないか。
もちろんこれらは全て、東京都がやっているような学校選択制が全ての都道府県に導入されていることが前提である。その結果、人気のある学校とない学校が分かれ、運営していくのが難しくなる学校も出てくるだろう。そういう場合にようやく国の出番となり、財政が厳しい学校に助成金や人員の補充を行い、他の人気のある学校を参考にしてよりよい学校運営が行えるよう指導を行えばよい。

選挙から話が逸れてしまったが、まとめると教育に関する政策だけを見れば、少なくとも自民党よりかは民主党のほうが問題の本質をはっきりと認識しているように見える。相変わらず政策予算の財源が不明瞭なことや、「子ども手当」などという意味のわからない政策も含まれてはいるが、教育の荒廃を加速させるだけのように思える自民党の政策よりかはよほど評価することができる。よって、教育分野での勝負は民主党に旗が揚がる、というのが個人的な結論だ。
……なのだが、ただ一つ、しかしあまりにも大きな問題点がある。それは、民主党の支持母体の中にあの悪名高き日教組がその名を連ねていることだ。如何に素晴らしい政策を唱えようが、学校教育を思想の植え付けに利用し、校内暴力を増加させ、今の学校現場の荒廃を招いた現況である日教組を、重要な支持母体の一つに抱え込んでいるというだけで民主党の言う全ての教育改革政策の信頼性は大きく失われる。よって、これほど明確に与野党の評価に差があったとしても、はっきりと「民主党のほうが優れている」とは言い難いのが悲しき現状だ。
そのあたりも含めた上で、最終的な判断をしたい。
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