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×雑記:参議院選挙雑感その1 年金問題

7月29日投票の参議院選挙ももう公示日を過ぎ、各党の政策公約も概ね出揃ってきた。
前回の衆議院選挙では郵政民営化がひとつの大きな争点として争われたように、今回の参議院選挙も年金問題というシングルイシューで勝敗が決しそうな勢いで、各党ともどう自分たちの打ち出す年金対策が優れているかをアピールするのに必死という感じだ。年金問題に関しては、前回の衆議院選挙時も「100年安心プラン」が提示された直後に出生率の低下が発覚したりして色々と騒がれたりしたものの、結局選挙の結果には大きく絡んでこなかったこともあり、今回の選挙で政治家が議論し投票者がしっかりと考える機会ができたのは良いことだと思う。
しかし、ただ年金問題だけを見て投票する政党や議員を決めるというのも何かと危険というのも確か。というわけで、いくつかの重要な政策論点ごとに自民、民主の2政党を中心に、何回かに分けて各党の選挙公約を比較し吟味してみたいと思う。今回はその1回目ということで、まずはド真ん中の年金問題から。

と、本論に入るその前に。
各党の選挙公約(マニュフェスト)は各政党の公式ホームページからpdf形式で見られるようになっているのだが、このpdfの出来にかなり差がある。
自民党マニュフェスト(右側の155の約束をクリック→一番下の政策パンフレットの項目)
民主党マニュフェスト(pdf直リン)
民主党のマニュフェストは直リンも可能な状態であるのに対して、自民党のほうは邪魔なポップアップを2つ出さないと見ることが出来ない。またpdf自体の解像度も下の画像を見ればわかるとおり圧倒的に違い、自民党のほうは判読するのも難しいような状態。これ読ませる気あるのか?と思ってしまう。さらに全体の構成を見ても、全編にわたり各項目について細かい字でぐちぐち書いてる自民党と、大きい字と小さい字を効果的に使い分け、総論を提示してから各論に移るという構成の民主党、という感じでこれまた自民党のしょぼさがよく見える。
これ、チーム世耕とか関わってないの?あまりにもひどすぎるんですけども。
jimin.png            minsyu.png
▲自民党のマニュフェストの一部分        ▲民主党のマニュフェストの一部分
(共に縮尺は100%)

■自民党

社会保険庁は6分割して解体、日本年金機構として一部を特殊法人化。職員は一時全員解雇し、有用な人材のみを再度雇用する。5000万件の年金記録については早期にシステムを外注して名寄せを行い、「ねんきん特別便」で全ての人に加入記録を告知。領収書などがなく証明ができないなどの問題に対しては第三者委員会を設置して判断。新たに年金カードシステムを作り、住民基本台帳ネットワークとも連携して住所移転などの際にも対応できるようにする。また、厚生年金と共済年金を一元化、国民年金との一元化は後に議論する。


■民主党

社会保険庁は解体して国税庁に統合、歳入庁とする。職員はそのまま歳入庁へ。5000万件についてはコンピュータ上のデータとマイクロフィルム、紙台帳のデータを全て照合する。納付履歴を記載する年金通帳を新たに作り、全ての加入者に配布。保険料を年金給付以外に流用することを禁止。税支出を削減して浮いた分を年金の財源に充て、消費税の増税なしに給付水準を維持する。議員年金を廃止し全ての年金を一元化し、基礎年金部分は全額国庫負担とする。


朝まで生テレビで金美齢さんが「年金問題に関しては論点を大きく2つに分けて考える必要がある」と言っていたが、正確に言うなら論点は3つだ。すなわち、起きてしまった問題への対処、再発防止への取り組み、そして今後のシステムの再構築である。再発防止策とシステム再構築は同一視されがちだが、実情はだいぶ異なる。

再発防止策である社会保険庁の取り扱いについては、自民党案(といってももう可決しているが)に旗が揚がるか。民主党案では結局職員はそのまま公務員の身分を維持し、根本的な部分での解決がなされないように思える。支持母体である自治労への配慮も伺えてしまうのも×。自民党案の特別法人というのにも不安を覚えなくもないが、さすがにこんな大事のあとでは監視の目も強まるだろうから、滅多なことはできないだろうと信じたい。あとはゆるやかに現在の社保庁の職員を放出し、優秀な民間の人材を取り入れてゆけばよい。

年金記録問題への対応に関しては、これはどっちもどっちという感じ。まず自民党案についてだが、5000万件の名寄せをするシステムを発注しようとしているのがNTTデータという会社。この会社、この毎日新聞の記事を見てもらうとわかるとおり、社会保険庁とはバリバリの癒着関係にあり、クソシステムということが知れ渡っている年金の記録管理システムを、同じく年金給付システムを構築、管理している日立製作所とともに1兆4000億円という途方もない額で作ったところだ。こんなところが作るシステムなんて信用できるわけがないし、そもそもこんな会社にこれ以上金を渡してほしくはない。
かといって民主党案がいいかといえば、5000万件以上のデータを全て手作業で照合していくなんていうことの非現実さは想像がつきそうなもので、何年かかるのかわからない。しかもそれを『社会保険庁の解体までに』行うというのだから、非現実さでは民主党の圧倒的勝利だ。

そして3つ目のシステムの再構築について見ると、これはどちらかと言えば民主党案のほうがよさそうに”見える”。見える、というのは、単純にカードシステムと通帳システムとで比べた場合、年をとってから意識することが多くなる年金の性質上、その記録や給付状況を知らせる媒体はなるべく直感的にわかりやすい、そしてなじみのあるものであるほうがいいんじゃないか、という漠然としたイメージからだ。ただ、個人的な意見を言えば、『住民基本台帳ネットワークと連携して』というようなことを考えているのであれば、なぜ住民基本台帳カードを使わないのか。新しく年金カードや年金通帳を作る必要などなく、住民基本台帳カードを全ての国民に配布し、役所でリーダに通せば記録が出てくる、というようなシステムを作ればいいだけではないか、という思いが強くある。なんだかんだ言って天下り先を作りたいだけのようにも見える。

最後に今後の年金制度についてだが、議員年金を含めた一元化を明言している民主党と、まずは共済と厚生のみの一元化に留めている自民党、という部分で見るとやはり民主党のほうがまともなことを言っているように思える。そもそも自民党はあの「100年安心プラン」に沿って今後の制度構築を進めると言っているので、根本的な部分ですでにアウト。ただ残念なのは、民主党が以前言っていた「最低保障年金と所得比例年金の2つの年金を作り、最低保障年金は消費税を目的税化して財源に充てる」という案を引っ込めてしまったこと。この案は結構まともだと思ったんだけど、なんでなしにしてしまったのか。選挙前に消費税を上げるようなことを言うと票が逃げるから、という理由からであったとすれば非常に残念。

今回の年金問題への対応という観点から総合して見ると、どちらがいいとも言い難いというのが結論になってしまう。3つの論点のうちどれを最も重要視するかでどちらに軍配を上げるかが変わってくるので、結局は個人個人の判断になってしまうというのが正直なところ。しかし、今後の年金制度の構築という面で見れば自民党や公明党が進めるプランに信頼性がないのは明白で、そうすると結局民主党案がベターかな、ということになってしまう、というのが個人的な結論だ。
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