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×雑記:憲法9条その2

マガジン9条というサイトが、年末年始特別企画として2月1日締め切りの9条に関するアンケートを行っているらしい。アンケートのテーマはそのものズバリ「9条を変えるべきか否か」というもので、用意された6つの選択肢の中から自分の考えに一番近いものを選んで投票するようになっている。
このサイトは発起人の名前を見てもらえばわかる通り、おそらくは護憲派の人たちが9条の大切さを知ってもらおうという目的で立ち上げたものだが、このアンケートに限って言えば「改憲」の選択肢が3つ、「護憲」の選択肢が3つと、結構中立的に設定されている。

僕は前に一度9条に関する雑記を書いたことがあるが、そのときの結論は消極的護憲だった。
だが実際のところを言うと、今でもどちらとも決めかねている。正直なところ、「改憲」を言う人の考えも、「護憲」を言う人の考えも、どちらも納得できる部分がかなりあるのだ。
そこで、今回は上述のアンケートを利用して、もう一度僕自身の憲法9条に関する考えをまとめてみることにする。
前述の通り、このアンケートには6つの選択肢が予め設定されていて、回答者はその中から自分の考えに近いものを選ぶようになっている。そこで、それぞれの選択肢に対して自分の考えをまとめる形で進めて行きたいと思う。

■「9条を変える」選択肢

・選択肢1

わが国の安全は日米安保条約にもとづく日米軍事同盟によってしか守れないと思う。アメリカに守ってもらっているのだから、アメリカが攻撃されたときは応援に出かけるのは当然だ。第一、武力の伴わない外交では相手になめられてしまう。非武装を主張する護憲派は、外国に侵略されてもいいと言うのか
---したがって、自衛隊を「自衛軍」にして海外派兵(集団的自衛権)も可とする自民党の改正草案に賛成。


まず「改憲」の中でも一番積極的な意見のものから。
今の小泉政権が推し進めている「親米」路線を支持し、さらなる日米同盟の強化のためには9条の改正と集団的自衛権の行使が必要不可欠とする意見だ。
この意見を支持するということは、もしイラク戦争前にこの改正が実行されていたなら、日本政府はイラクに「自衛軍」を送り込むのは当然で、つまりは日本人が再び海外で軍事力を行使することを肯定するということ。さらにはアメリカは「防衛的先制攻撃」を認めているため、日本に攻めてきそうな国に対して先に攻め込むということも充分に起こりうると認めるということだ。

さて、この意見にはいくつか突っ込みどころがある。
まず目に付くのが、『アメリカに守ってもらっている』という部分。確かに抑止力という意味では、現時点において日本はアメリカに守られている。だが、日米安全保障条約には『日本が攻撃されたら必ずアメリカ軍が出動しなければならない』と明文化された部分はどこにもないというのは有名な話で、リンク先の第五条の一項を読んでもらえればわかる通り、あくまでも『共通の危険に対処するように行動する』と宣言しているだけなのだ。
まぁそれでも、実際有事の際にはよっぽどの事情がない限りアメリカ軍は出動するだろうが、それでももし戦況が長期化した場合など、アメリカ国内の反戦の世論を押さえきれなくなれば、日米同盟を捨てることも十分にあり得るだろう。
もうひとつの突っ込み部分は、上でも触れたとおり、集団的自衛権の範囲内では『アメリカが攻撃されたとき』だけではなく、『アメリカが攻撃されると思い込んで先制攻撃に出たとき』にも応援に駆けつけなければならないということだ。これは先のイラク戦争やアフガン戦争などがそれにあたり、他にも歴史上集団的自衛権が行使された戦争ではかの悪名高いベトナム戦争やソ連のアフガン侵攻もそれにあたる。つまり、集団的自衛権を認めるということは、大義なき『間違った』戦争に日本が参加しかねないという危険性を多分に孕んでいることに留意しなければならない。
まぁ、『間違ってない』戦争なんて民族独立のための戦争くらいしか思いつかないんだけど。


・選択肢2

わが国は独立国なのだから、戦後60年を過ぎてなお在日米軍の抑止力をアテにして米軍基地を受け入れている現状は情けない
---したがって、国の安全は自主独立の軍隊で守っていくことを9条に明記すべきだ。


短い文章ながら、結構納得できる意見ではある。
本来あるべき正しい国家の形として、自らの主権は自らの力によって守るべきだというのは納得できるし、選択肢1のように親米路線をより強化するためではなく、日本がアメリカなしでも国家として独立を維持できるようにするために憲法を改めるべきだ、というのはとても頷ける。
ただ、集団的自衛権の有無など細かい部分は何も述べられていないのは気になるところだ。

憲法9条というのは、60年前の戦争に負けたことによって日本に着けられた言わば“手錠”のようなものだ。国家として最も大きな権利の一つであるはずの「軍事力の行使」を制限し、結果的に国際社会においてはアメリカという軍事的な後ろ盾なしではほとんど何もできなくするという大きな拘束力を持っている。
戦後60年間なんの文句も言わずそのペナルティを保持し続けた日本が、ようやく禊を終えその楔から逃れる時が来たのだ、という考え方には個人的にはかなり納得させられる部分がある。

・選択肢3

日米安保条約の目的はいまや「日本とその周辺の安全」から「中東の安全」にまで拡大変質している。テロの未然防止のためには先制攻撃も辞さないという、アメリカの世界戦略に巻きこまれたら大変だ。
---したがって、歴代内閣が表明してきた「専守防衛に徹して海外における武力行使はできない」という自衛隊の定義と存在を、9条の中に明記してアメリカの世界戦略と一線を画していくべきだ。


こちらは消極的な改憲の意見。9条という自縄自縛の鎖をさらにきつく締めなおそうという、正直珍しい意見だろう。

『専守防衛に徹して海外における武力行使はできない』と簡単に言うが、では例えば北朝鮮が核ミサイルで攻撃してきた場合に、それを打ち落とす努力をするだけで、実際に北朝鮮に乗り込んで核ミサイルの発射基地を壊滅させることはしない、ということなのだろうか?もしくはそれはアメリカ軍にまかせると?
『海外での武力行使の禁止』を憲法に盛り込んだ瞬間、日本の国際社会における地位がものすごーく低くなるのは目に見えているので、僕はこの意見を受け入れることは到底できそうもない。

■「9条を変えない」選択肢

・選択肢4

日米安保条約の変質については「3」と同じ見解。アメリカは日本をアジア太平洋地域の戦略拠点と位置づけ、自衛隊を英軍なみの同盟軍として海外の戦闘地域でも協力させたいと考えている。しかし9条2項があるかぎり、海外での武力行使は阻止できるのだから
---9条も自衛隊も現状のままがいい。


以前の雑記に書いたのとほぼ同意見。つまりは2005年5月時点での僕の考え方だ。消極的護憲派とでも言おうか。

あの雑記を書いた時点での考えとしては、やはりイラク戦争のインパクトが非常に大きく、もし戦争前に憲法が改正されていたら、ほぼ確実にイラクに自衛隊が出兵することになっていた、ということが護憲を意識させる大きなポイントだった。もし9条の改正を親米路線の継続、発展と絡めれば、アメリカの世界戦略に日本が巻き込まれるのは明白で、それは僕にとっては受け入れがたいことだったのだ。そしてその考えは今も大きく変わってはいない。

・選択肢5

冷戦終結のいま、EUや東アジア共同体づくりの動きに見られるように、武力を背景にした外交は絶えざる武力競争(緊張)やテロを生んでキリがないことに世界中が気づき始めている。9条はまさにそんな新しい時代のお手本になる憲法である
---したがって、自衛隊は解散し、一切の外国軍基地も存在しない非武装の国のかたちをつくっていくべきだ。


非武装中立を達成するべきだという意見。コスタリカが非武装で成り立ってると本気で思い込んでいる人たちが主張してそうな考えだ。

正直、この雑記を書いている1月9日時点で1000近い票がこの選択肢に入っていることに驚く。全ての国家が9条と同様の条項を憲法に盛り込めば確かに世界は理想的な状況に近づけるかもしれないが、現在の世界情勢(特に特定アジア周辺)を見る限りその動きは微塵も起こりそうにない。そんな中で日本だけが率先して武装を解除したところで、都合のいい標的になるだけだ。
ところで、自衛隊の解散を主張する人たちに聞いてみたいのだが、こういう人たちって自衛隊の解散によって生まれる十数万人の失業者についてどう考えているのだろうか。どうも考えてなさそうな気がするけど。

・選択肢6

変えない理由は「5」に同じ
---ただし自衛隊は解散しないで、最小限の自衛力(抵抗権)をもつ陸海空の「国境警備隊」と、武力を伴わない「人道支援隊」に改組縮小する。後者はNPOと連携して、災害、医療、インフラ、貧困対策などで世界平和に貢献していく。


「国境警備隊」という響きから、こっちはコスタリカの現状についてある程度知ってる人たちの意見のようだ。

ところで、1億2千万あまりの国民と世界第2位の経済力を持つ巨大国家を防衛するための『最小限の自衛力』って一体どれくらいになるんだろうか。今の東アジアの情勢を見ると、現時点での自衛隊の防衛力でも過度すぎるとは思わないし、特に核攻撃に対しての備えは十分とは言い難いように思える。あと、人道支援隊は組織の実態がよくわかりません。

■結論

上で見てきた6つの意見を端的にまとめると、下のようになる。

1:積極的改憲+親米路線
2:積極的改憲+独立路線
3:消極的改憲+独立路線
4:消極的護憲+現状維持
5:積極的護憲+非武装中立
6:積極的護憲+武装中立

この中で、僕が共感できたのは2と4だった。

もし改憲を行うなら、それは日米同盟をより強固にするために行われるものであってはならない。なぜなら、アメリカはアメリカの国益のためにのみ動くのであり、それに追従することは必ずしも日本の国益に適うことばかりではないからだ。
また、護憲派は必要以上に他国の善意を信頼してはならない。非武装で成り立っている国家など、歴史上を見渡しても世界のどこにも存在し得なかったのだから。
で、結局のところ僕は改憲の2なのか護憲の4なのか、と考えると、現時点では4、国際情勢や国内世論がそれを許せるような状況にまで変化していけばやがては2、というのが結論になりそうだ。つまり、心情的には2だがまだ早い、というのが僕の今の考え方だ。
日本が自主自立の国家として国際社会に認められるためにはアメリカに頼りきっている現状を打破する必要があり、そのために憲法9条が改正されるのであればそれは許容できる。だが、そのためにはまず、日本がこれからアメリカに必要以上に追従しないという姿勢をはっきりと示す必要があると思う。
現状の、親米路線をより強化しようとしている自民党小泉政権下で改憲が行われるとすれば、到底上記のような方向には進まないのは明白であり、結果として、それが僕に「現状維持」を強く望ませる原因になっているようだ。
僕は、自衛隊に、ベトナム戦争のときの韓国軍のようにはなってほしくないのだ。
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