×スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

×雑記:毎日新聞のマニュフェスト評価

8月29日付けの毎日新聞関西版の朝刊一面に、こんな記事が出ていた。

衆院選では2回目のマニュフェスト(政権公約)選挙。毎日新聞は政策評価を行っている「言論NPO」と共同で、各党が公表した中から政権選択を求めている自民、民主両党のマニュフェストの検証を行った。


そして以下が自民、民主両党のマニュフェストの評価。

自民             民主
4      総論        7
8     郵政改革      4
4     財政改革      8
4      年金        8
4    外交・安全保障   7
6    三位一体改革    8
4     公務員改革     7
4     子育て支援     6

(注)評価は10点満点。項目ごとに「明確性」「妥当性」の二つの側面からそれぞれ5点満点で行い、それぞれを合計した。


(ネット上のソースなし、スキャン画像なし)

ぱっと見てまず民主マニュフェストのあまりの高評価ぶりが目につく。実際にあのマニュフェストを読んだ者としてはちょっと信じられないような評価だ。自民党の政権公約はまだ全て読み終えてないので低いとも妥当とも言えないが、民主党の評価はどう考えても高すぎる。
と最初は思ったのだが、(注)の部分を読んで納得できた。つまり、この評価は「明確性」と「妥当性」(どんな基準で妥当かどうか判断したのかは知らないが)の2つでのみ評されていて、もう一つの重要な部分の「実現性」について全く評されていないのだ。
「実現性」は確かに現時点で評価するのが難しいものではある。実際民主は過去に出したマニュフェストを元に政権を取り、それを実現したという実績もないから、「これくらいの範囲のことなら民主ならやってくれるだろう」という期待度も出しにくい。しかし逆に現政権政党の自民党は、選挙で大敗しない限りは公約に書かれたことを全て実現するよう最低限の努力をしなければならないので、なるべく実現性の高い公約を出そうとする。もしくは実現したかどうかそのものを曖昧にするために、具体的な数値目標のない抽象的な公約にする。そこが政権責任政党の弱点でもある。
こういう弱点を突くという意味でマニュフェストは野党に有利な選挙戦略だ。つまりは、極端に言えば80%の確率で政権を取るであろう党は80%の確率で実現できる公約を出さなければならないが、政権を取る確率が30%しかない党は30%の確率で実行できる公約を出せばそれでいいというわけだ。

今回の民主党のマニュフェストを読んで僕が一番感じたのは、その実現可能性の低さだ。例えば財政面で言えば『3年間で10兆円支出を削減して国債発行額を30兆円未満に抑え、さらにその間増税もしない』のような部分だったり、『高速道路無料化』だったり、外交面で言えば『アジア共同体構想』だったり、最たる例は『郵政改革』だったり。この“低さ”はイコール“政権担当能力の低さ”であり、さらに言えば上で書いたように“民主党が考えている『この選挙で政権を取れる確率』の低さ”でもある。

今回の毎日新聞の記事では、ちゃんと詳細な評価を27面一面を使って説明している。そしてそこには高評価をつけた民主党マニュフェスト案に対しても、ちゃんと実現性や問題点などの部分についても指摘している。また、隣の26面にはわかりやすくまとめられた各党のマニュフェストの概要もしっかりと併記されている。
しかし、果たしてこの1面を読んで、さらに26、27面の記事も全て読んだという人がどれくらいいるのだろうか?多くの人は朝の忙しい時間の中で、1面のわかりやすい評価の図表だけを見て、細かい部分までは読まないのではないだろうか。そうなると、大きい文字で書かれた『数値目標が多い民主 自民は「郵政」高評価』という見出しと、上に引用した平均5.25点の自民の評価と平均6.825点の民主の評価が並べられた図表だけを見て、安易に「やっぱり自民は駄目、民主は期待できる」と思ってしまわないだろうか。

マスコミの使命として、「難しい問題をわかりやすく読者に伝える」というのは確かにあると思う。だが、今回のマニュフェストの評価を見ていると、重要な部分をおざなりにして、安易な「自民は数値目標が少なくて駄目、民主はいいことをいっぱい書いてるから良い」というレッテルを読者に与えてるだけのように思える。さらに言えば、今回の評価の一翼である「妥当性」についても、何が妥当で何が妥当でないかは大きく個人の価値観に左右される部分なので、毎日新聞と言論NPOがつけた評価に納得できる人もできない人もいるだろう。
それらを全て含めて、この記事の“採点”はすべきではなかったと僕は思う。
スポンサーサイト

コメント


コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック

[トラバURL]http://neoblog.blog6.fc2.com/tb.php/146-2a00f9c5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。