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×雑記:郵政民営化

小泉首相が「改革の本丸」と位置づける郵政民営化だが、道路公団改革や年金問題に比べて国民の関心は薄く、一部では「抵抗勢力との対立を印象付けて支持率を維持する為の茶番劇」と揶揄されたり、「歴史に名前を残す為だけの無意味な改革」と言われたりしている。
だが実際のところ、国民に詳しく語られていない部分でこの郵政改革は大きな意味を持っている。単純に、“民にできることは民に”とか、“民営化することでより便利に”というだけではないのだ。
今回は郵政民営化の基本的な部分から掘り下げて、その後ろにある日本の政府が孕んでいる構造的な問題点や、国民の血税にぶら下がり利権を貪る族議員など、様々な事について見て行きたいと思う。
小泉総理の側近として郵政民営化を現在推し進めているのは言わずもがな、竹中平蔵郵政民営化担当大臣だ。
その竹中大臣が「竹中平蔵大臣の「構造改革」日記」の最終回で、『これでも「郵政民営化」に反対しますか』というコラムを書いている。見てもらえれば一番わかりやすいのだが、簡単に要旨だけ抜き出すと、郵政民営化の4つのメリットとして以下のことを挙げている。

[1]350兆円が民間のものになる
[2]2万4000のコンビニチェーン
[3]公務員が減る
[4]国の財政に貢献する


つまり、民営化することで郵貯・簡保の資金350兆円が民間に流れ、サービスがさらに向上し、公務員が減り、税金を納めることで財政に貢献する、というわけだ。これらを上げ、竹中大臣は得意げに『これでも反対しますか』と言っているわけだが、正直これだけのメリットで民営化に賛成する国民などほとんどいないだろう。
まず、少し調べればわかることだが、350兆円がただちに民間に流れるなんてことがあるわけがない。140兆円に及ぶ郵政公社が持つ国債をすぐに民間に任せられるわけがないし、郵政公社がたいした審査も行わず特殊法人などにばら撒いた資金は全て不良債権の形で降りかかってくる。しかも郵政公社の自己資本比率は0.3%という体たらくだ。果たして民営化して経営を維持できるかどうかすら怪しい。
さらに、24000のコンビニチェーンというが、過疎地域の店舗数は政府が資金を提供して数を確保するにしても、都市部の過密地域では減らすと明言している。つまりそもそも2万4000も店舗は残らない。
公務員が減るということについても、もともと郵政事業に従事している公務員の給料は税金からではなく郵政事業の売り上げから支払われているので、減らしたところで国の支出が減るわけではないのだ。
[4]に至っては、税金を納められる優良企業になればいいが、逆にかつての長銀などのように財政破綻して税金で穴埋め、なんてことになりかねない。

つまり、竹中大臣がここで挙げているメリットなんていうものは存在しないも同然なのだ。それではなぜ、小泉首相は強行に民営化を推進しようとしているのだろうか。

これは、自民党という組織が古くから持っている体質に起因している。
現在日本の借金は750兆円とも言われ、さらにますます膨れ上がっている。小泉首相が就任当初に言った『国債発行額を30兆以下に抑える』という公約もあっという間に破られ、借金をする返済する為にに借金し、さらに借金を重ねるというどうしようもない状態にある。
さらに最近マスコミでもよく取り上げられているように、官僚OBの天下り先である様々な特殊法人が財政投融資という形で資金を無駄遣いし、国民の借金をさらに増やすことに一役買っている。

これらがなぜ起こるのかというと、政府の資金プールとして郵貯・簡保のお金が使われているせいなのだ。
国民が預けている350兆円ものお金は民間などには一切投資されず、全て財投や国債として使われる。その結果、郵貯・簡保が持つ国債額は140兆円にも上り、特殊法人に貸し付けられた返される当てのない資金は想像のつかない額になっている。これが日本の膨大な借金を生んでいるのだ。
つまりは、郵貯・簡保こそが日本の借金政治の根っこであり、これを切り離すことで借金まみれの財政から脱却しようというのが郵政改革のもう一つの側面なのだ。

なので、当然これを断行しようとすればそれまで郵政によって甘い汁を吸っていた人間たちから抵抗される。これが「抵抗勢力」と呼ばれる人たちで、またの名を「郵政族」と言う。
「族議員」といえば道路公団民営化の時に頻出した「道路族」が有名だが、日本には長く続いた自民党の一党独裁政治のせいでたくさんの「族」がのさばっている。
郵政族もその一つで、自民党総務部会を根城にしている腐れ政治家たちの集まりだ。代表はあの野中広務で、反対派の代表としてよく登場する綿貫民輔もその一員。つまり、現在民営化に反対している自民党の議員のほとんどは、郵政によって利権を貪る族議員と見て良いだろう。

彼らが郵政によって得ている利権とは「集票マシーンとしての特定郵便局」だ。
特定郵便局とは、全国にある郵便局の4分の3にあたる約19000もの数存在している郵便局で、その定義は実に曖昧だ。冗談のようだが、「特定郵便局長が局長を勤めている郵便局が特定郵便局」という言い方が正しい定義であったりする。
その特徴としては、土地建物が局長の持ち物である、局長は公務員だが、その地位は世襲的に受け継がれる、給与とは別に年数百万の経費が支給されるなどなど。要は条件のいい公的フランチャイズのようなものだ。
特定郵便局長になる為には試験を受ける必要があるのだが、その試験は一般に募集されてはおらず、郵政公社が「有資格者」と認めた者にだけ、言い換えると「現局長の子供や郵政OB」にだけ通知が来る仕組みになっている。

こうしてめでたく局長になれた者は、大体が地元の名士であったり、発言力のある人間だったりするので、選挙の際に票の取りまとめに大きな力を発揮する。彼らは選挙があると郵政族議員に投票するように周囲に働きかけ、なんとかして議員を当選させる。これはもちろん公職選挙法違反にあたるもので、最近の事件では高祖憲治前参院議員の事件が記憶に新しい。彼はほぼ無名の新人でありながら、知名度だけは抜群にあった大橋巨泉を抜いて当選したが、その後大量の逮捕者を出す選挙違反事件に発展し辞職した。
この事件以降特定郵便局の集票力は落ちているといわれているが、まだまだ侮れないものがあるのも確か。これにしがみついている汚い連中の集まりが、郵政族議員というわけだ。

一方小泉総理は、というと、彼はもともと旧大蔵OBで、銀行族といわれる派閥に属していた。銀行族は郵政族と対立する勢力で、しかも最近ではBIS規制などによってかなり冷遇されている状態にあり、さらにご存知の通り、相次ぐ銀行の破綻によってその信用も失墜し、さらに多くの資金が郵貯に流れている。
そのため、この銀行を助けるために小泉首相は郵政民営化を行おうとしているのではないか、という見方も一部ではある。

ここまで色々と細かい部分を書いてきたが、これらは全て自民党内部での対立であることはお分かりいただけると思う。
それでは、野党である民主党はなぜ民営化に反対しているのだろうか?

一つにはもちろん、与党vs野党という対立姿勢を打ち出すことで、国民の支持を得ようという目論見がある。野党第一党である民主党としては、何とか与党自民党との対立軸を一つでも多く作り、野党としての存在感を示そうとする必要があり、郵政民営かもその対立軸の一つに過ぎないということだ。
が、これは“万年野党”がすることで、少なくとも“政権準備政党”がするようなことではない。もしたったこれだけの理由で民主党が民営化に反対しているのであるなら、民主党に期待はできなさそうだ。では、他に理由はあるのだろうか?

民主党のホームページで公表されている民主党が民営化に反対する理由として、小泉首相が進めている民営化案では上記の問題点は全て解決されないためと主張している。
これは、現在審議されている法案では民営化された郵政会社の大株主は結局政府であり、現在の状況と何一つ変わらない、いやむしろ悪い状況になるためだ。最初は政府は持ち株を手放すようにしておいて、あとで買い戻せるような制度さえ盛り込まれていたりする。つまりは、手元で運営していた郵政事業を膝元あたりに移して、結局は同じようなことを繰り返すことになるのではないか、というのが民主党の主張だ。
これは確かにその通りで、郵政民営化関連法案では4分社化された4事業の株を持ち株会社「日本郵政株式会社」(仮称)の株式の100%をまず政府が保有し、その後も3分の1以上を持ち続けるように定められていて、結局民営化されても郵政の大株主は政府なのだ。これでは、完全に郵政を官から切り離したとは言い難い。
つまり、民主党の主張にも一理あるということだ。

郵政民営化の是非を考えたときに、出口・入り口論は避けられない。これこそが民営化の本当の目的であるべきで、サービスの向上などはあくまでもおまけの要素であるはずだ。それなのに、推進派ですら実際国民には建前だけの説明しかせず、郵政事業が持つ意味を詳しく語ろうとはしない。
もし民営化された後、140兆円の国債の引き受け手が見つからず、一気に売りに出されるようなことがあれば、間違いなく国債は大きな値崩れを起こし日本政府は倒産する。また、国債や大量の不良債権を抱えたまま民営化郵政会社が破綻すればそれはそれで大量の税金が投入されることになる。
この問題の根本には、あまりに長く続きすぎて腐敗しきった自民党の金権政治が大きく絡んでいる。これを解決する為には、敢えて上のようなデフォルトのリスクを負ってまで、黒字を上げている郵政公社を民営化するよりも、自民党政治を一度終焉させて、民主党との二大政党制に持ち込むことが最もいい解決策だと思える。

もしかしたら、自民党をぶっ壊すと言っていた小泉総理自身が、一番自民党が壊れることを恐れているのかもしれない。

【関連(参考)サイト】
郵政民営化の基本方針
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2004/0910yusei.html
これでも「郵政民営化」に反対しますか
http://www.president.co.jp/pre/20041213/001.html
特定郵便局
http://shinsho.shueisha.co.jp/toranomaki/010821/
よくわかる郵政民営化論
http://www.geocities.jp/dokodemodoa_jp/
郵政改革問題に関する民主党の主張: 「民営化よりも正常化」
http://www.dpj.or.jp/news/200505/20050520_09yuusei.html
MAINICHI-INTERACTIVE - 郵政民営化:
持ち株会社の株は一般会計で保有 政府方針
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20050507k0000m010146000c.html
vs 郵政公社、クロネコヤマトは一社で市場を守ろうとしている
http://www.13hz.jp/2004/08/post_48.html
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