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×ネタバレ感想文:「新世界より」 by貴志祐介

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僕の最も好きな作家の1人である貴志祐介が、久方ぶりに書き下ろした1000ページ以上に渡る大長編。その圧巻の分量もさることながら、中身のとことんまでの濃密さ、にも関わらずあっという間に読み切ってしまえる圧倒的な面白さ、そして綺麗にまとめあげながらもしみじみと考え込んでしまう読後の余韻の深さと、どれをとっても超一級の娯楽小説だった。

物語の簡単な筋を書くと、今我々が暮らしている文明社会が崩壊してから1000年以上が経過した遥か未来の日本が舞台。そこではすでに現在のような科学文明は失われ、わずか3000人ほどの人々が小さな町を作って生活していた。彼らは一見すると普通の人間のようだが、実は全員が“呪力”と呼ばれる超能力を当たり前のように使うことができる、サイキッカーだった。しかし彼らはその力を完全に制御しながら、一見するとユートピアとさえ言えるような恵まれた環境の中で幸福に過ごしていた。
しかしある時、“決して超えてはならない”と言われている八丁締めの外へ出てしまった子供たちが“あるもの”を見つけてしまったことで、隠されていたユートピアの真の姿が徐々に浮かび上がってくる。そしてそれは、想像を絶する事態へと繋がっていくのだった・・・、という感じ。
以下、ネタバレを含むので続きへ格納。
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×レビュー:Fate/hollow ataraxia

B000ANGXMGFate/hollow ataraxia 初回版(DVD-ROM)

TYPE MOON 2005-10-28
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はい、エロゲーです。18歳未満の人は購入しないように。

簡単に言うと、2003年の始め頃に発売されたFate/stay nightというADVのファンディスク。なので当然、前作をプレイしていない人はこのソフトをプレイしてもほとんど意味不明なのでオススメしない。
単なるファンディスクに2年半も製作期間をかけるというのは前代未聞だが、そのぶん中身は期待を裏切らない出来になっていると言って間違いない。達成率100%までの総プレイ時間は約25時間程度。前作がテキスト主体のほぼ一本道ADVで50時間とかいうありえないテキスト量だったのに比べれば、ボリューム的には幾分大人しめに思えたかな。

全体の流れは4日間の限られた枠の中を何度もループするというどこかで見たようなもの。4日を乗り越えるたびにフラグが継承され、フラグが埋まってくるとまた新しいイベントが発生し、新しいイベントをクリアすることでまたフラグが埋まり…を繰り返すことになる。
お話の舞台は当然冬木市。前回の聖杯戦争終結から5ヵ月後になぜか突如再開してしまった聖杯戦争の謎を追っていくことになる。が、イベントのほとんどは何てことない日常生活だったりして、そのあたりはさすがにファンディスク。バトルシーンや暗いエピソードも少なめ。間にいくつかミニゲームも挟まっている。

以下個人的な感想を(多分ネタバレなし)。
まずグラフィックはいつも通り素晴らしい。背景とか塗りとかエフェクトとか、細かい部分にまでこだわって描かれているなーというのがひしひしと伝わってくる。また特筆すべきなのは演出。立ちキャラが動きまくったりするのは言うに及ばず、時にはテキストウィンドウの形まで変えたりと、「どれだけ手間かかってんだこれ」と思わず考えてしまうほど細部まで作りこんである。100点。
音楽は個人的な好き嫌いがあると思うけど、僕自身は割りと気に入った。というか、場の雰囲気を壊すような違和感が全くなかったので、作り手の狙い通りにちゃんとできているのではないかなと思う。OPEDテーマは結構普通。全部まとめて80点くらい。
シナリオは「これぞファンディスク」というくらいのデキ。前作はかなりシリアスな場面が多かったのに対して、それをまるまる補うくらいギャグシーンが豊富で、前作ではあまり感じることができなかった「日常生活」を中心に話が展開するのも嬉しいところだ。そしてそれとは別に大きなストーリーの流れがあり、そちらは打って変わってシリアスそのもの。閉ざされた4日間を引き起こしているのは誰か、再開された聖杯戦争の行方はどうなるのかなど、謎解きのような楽しみも味わえる。ホロウのオリジナルキャラクターは二人で、どちらもそのシリアスサイドのストーリーに深く関わってくる。他のメンバーに負けず劣らずかなり濃いキャラクターだ。ただ、あえて難を言うならそのシリアスな部分の掘り下げがやや浅い気がした位か。95点。

歌月なんかと比べると全体的にヌルいシナリオだった感は否めないが、ファンディスクなんでこれくらいのほうがいいのかな、と思う。また、各イベントの連続性があまり感じられず、ブツ切れになってしまうのも構造上仕方ないのかも。前作のように、短期に集中して一気にクリアするのではなく、何日もかけてだらだらプレイするのがいいと思う。

とまぁ、ほぼベタ褒めの評価。前作を楽しめた人ならまず間違いなくプレイして損することはないソフトなので、オススメしておく。

【関連サイト】
TYPE-MOONオフィシャルホームページへようこそ!
http://www.typemoon.com/

×レビュー:FF7AC

B0009WFME8ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン (通常版)
櫻井孝宏 森川智之 伊藤歩

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2005-09-22
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FF7のエンディングから2年後の世界を舞台とした物語が展開されるFinal Fantasy Advent Children。ライフストリームに潜り込んだジェノヴァの遺伝子が星を巡り、子どもたちの体に痣となってあらわれる“聖痕症候群”という病気が蔓延する中、一方でクラウドを兄と呼ぶ謎の黒服集団がジェノヴァの細胞を求めてクラウド、ティファらに襲い掛かってくる。
7本編のEDムービーではイベントの都合上登場しなかったユフィやヴィンセントもしっかり登場し、7の主要メンバーはほぼ『全員』出演していると言っていいだろう。

美麗なCGは今更言うまでもないが、特に全編の多くを占めるアクションシーンは見もので、その種類もバイクチェイス、教会での1対1、巨大な召還獣(ヴァハムート?)との多対1戦の空中戦など、多種多様に富んでいる。その中でも個人的に気に入ったのはバイクチェイスしながらのバトルシーン。直線のハイウェイをとんでもない速度で疾走しながらの戦闘は迫力の一言だった。全速力で飛ばしてもすぐ追いつかれるのは謎だったが。
ストーリーのほうは特に複雑ということもなく、ラストまで非常にわかりやすかった。これといった伏線もないし。コアとなるのは『クラウドの再生』だろうか。『2年前の戦いのときには確かにあった強い気持ち』を失ってしまったクラウドが、黒服の男たちとの戦いの中で徐々に自分を取り戻していく過程が中心的に描写されている。

以下は個人的な感想。

ティファがめっちゃかわいい。ヤバい。あとクラウドの髪型はやっぱリアルに描写すると無理があるな。タークスの面々も実は結構強かったのね。超人的な動きとかしてたし。声は特に違和感はなかった。
FF7をプレイしたのがかなり前なんでストーリーの細かい部分とかは正直あまり覚えてないんだけど、7のEDは個人的に納得いってなかったからこういう形でしっかりと補完されるのはいいことだと思う。

【関連サイト】
FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN公式サイト
http://www.square-enix.co.jp/dvd/ff7ac/
BEFORE CRISIS -FINAL FANTASY VII-公式サイト
http://www.square-enix.co.jp/mobile/bcff7.html

×レビュー:デカルトの密室

410477801Xデカルトの密室
瀬名 秀明

新潮社 2005-08-30
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『我思う、故に我あり(コギト・エルゴ・スム)』という17世紀の哲学者ルネ・デカルトのこの言葉を、一度も耳にしたことがないという人は恐らくいないだろう。デカルトは少しでもその存在に疑いのあるものを全て偽とし切り捨てていった結果、『確かなものが何一つない世界の中で、唯一確かなのは今考えている自分自身だけだ』という結論に達し、このコギト命題に辿り着いた。

この本の一つの大きなテーマとして、カギカッコつきの〈自分〉で表される、〈他者〉とは違う唯一無二の〈自分〉というものが挙げられる。〈自分〉は常に自らの頭の中に存在し、あたかも劇場を見るかのように目から入ってくる映像、耳から入ってくる音、皮膚から伝わる感覚を得、物を考えている。そしてその劇場から永遠に抜け出すことはできない。これこそがデカルト劇場と呼ばれるものであり、タイトルにもなっている『デカルトの密室』の一つだ。
一つ、と言ったのは、この作中には他にも2つ、合わせて3つの密室が順番に出てくるからだ。上記の『脳の密室』はその2番目にあたる。つまり、僕たちは3重の密室に常に囚われてしまっているということだ。そしてそこから抜け出そうと足掻く姿が、物語の大きな核の一つとして据えられている。
もう一つのストーリーの核は、『知能』だ。冒頭で辞書からの引用として提示されている『知能』の定義とは『環境に適応し、新しい問題状況に対処しようとする知的機能・能力』だが、そう言われても非常に曖昧でイメージしにくい。知能とは人間にしか備わっていないものなのか?動物や昆虫や植物は持たないのか?そして機械に知能は宿るのか。その答えを求めるため、読者はケンイチという名のAIの視点から世界を見ていくことになる。

思春期の頃に一度考えたことはないだろうか。『自分』とは果たしてなんなのか、『自己』と『他者』を隔てる境界は何なのか、なぜ『自分』は自分の中から、自分の目を使って世界を見、自分の脳を使って物を考えるのか、さらに言うと『他者』にも本当に自分と同じような『自分』が存在しているのだろうかと。
結局その答えを得られることはなく、暗黙のうちに『他人にも自分と同じような自意識・自我がある』という前提を立てた上で僕たちは日常生活を送っているわけだが、それは結局デカルトの密室から抜け出そうとする抵抗をただあきらめてごまかしたにすぎない。『密室の中にいてもそこを密室と意識しなければ密室の中にいないのと同じ』というわけだ。
この本を読んでいて思い出したことがある。かなり前、ドラえもんを見ていて、のび太が分身するという道具が出てきたときのことだ。学校の宿題としずかちゃんの誘いの板ばさみにあったのび太が、ドラえもんに出してもらったその道具(名前は忘れた)を使うと、のび太は物質的な密度が半分になるが2人に分裂する。一人がしずかちゃんと遊び、もう一人が残って宿題をするというわけだ。
そのストーリーが最終的にどうなったかは覚えていないが、のび太は分裂を繰り返しどんどん密度が薄くなっていったのは覚えている。そこで当時の僕は思った。果たして、分裂してできたのび太Aとのび太Bは、分裂する前のオリジナルのび太と全く同じであると言えるのだろうか?また、同じであるとするなら“どちらののび太が”オリジナルと同じなのだろうか。
のび太AとBは当然感覚を共有してはいない。意識も共有しない。完全に独立している。記憶、能力、身体的特徴は全く同じだが、同一の〈自分〉を持っているというわけではない。AはBの考えていることはわからないし、逆も同じなのだから。果たして、そののび太はクローン人間とどう違うのだろう。

この本では、フランシーヌという女性が第一、第二の密室から脱出することに成功する。“開放”された彼女がどのような感覚を得たのか僕たちが想像するのは難しいが、それでも彼女は『未だ密室の中にいる』という。そしてAIケンイチもストーリーが進むにつれて成長していく。
その結末は、できるなら自分の目で見てもらいたい。

【関連サイト】
新潮社 - デカルトの密室特別講義 瀬名英明
http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/477801-X/kougi.html

×レビュー:イース -フェルガナの誓い-

B0009IX7JYイース -フェルガナの誓い- CD-ROM版

日本ファルコム 2005-06-30
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というわけで、イース -フェルガナの誓い-をクリア。ノーマルモードでイベントは(多分)コンプ、アイテムコンプでプレイ時間は12~3時間といったところ。
グラフィックは前作のナピシュテムの匣と同じくフル3Dで、マップの描き込みはさすがといった感じ。ただ、今回はアクションに2段ジャンプとリングアーツが加わったため、マップが上下左右にかなり広がっていて、その分前作よりもアクション操作を要求される。コントローラは必須だろう。その代わり戦闘は少し簡単になった感じ。

ストーリーはイースⅢのリメイクに近いもので、主人公アドルの相棒、ドギの故郷であるフェルガナで起こったごたごたに巻き込まれるといういつものパターン。イースシリーズの特徴でもある、一作のストーリーは短めでその分濃いというのも同じ。
DQと同じように主人公が喋らないタイプのRPGなので、どうしてもイベントの描写が淡白になりがちなのは残念なところだが、これもイースシリーズの伝統ということで我慢しておこう。
全体的に可もなく不可もなくといった印象で、ほどほどに友情あり、恋愛(?)あり、憎しみあり、悲劇ありの展開。よく言えば安心感のある、悪く言えば先の読めるストーリーだ。オチもほぼ予想通り。これもイースシリーズの特徴の一つだろう。

今作で特に目立ったのがアクションだ。特にボス戦はかなり白熱し、考えさせられた。各ボスごとにちゃんと攻略法があり、例えば足にタックルしてこけさせてから頭を殴ったり、弱点を特定の魔法で攻撃しないとダメージを与えられなかったりと、一回目のバトルで倒しきるのは難しいようになっている。
ノーマルでプレイしていても結構キツく感じるボスも多く、アクションが苦手な人にはややキツい難易度設定になっている気がするが、だからといってイージーモードでプレイするとイースの楽しみの大部分をなくしてしまうことになるのであまりお勧めはできない。
一番ハードだったのはやはりラスボスで、クリア時のレベルは51だった。町の道具屋で精霊の首飾りを買って装備しておかないとかなり厳しいと思う。

現在6作出ているイースシリーズを時系列順に並べると
1.Ⅰ・Ⅱ(失われし古代王国)
2.Ⅳ(セルセタの樹海)
3.Ⅲ(フェルガナ冒険記) ←ここ
4.Ⅴ(失われた砂の都ケフィン)
5.Ⅵ(ナピシュテムの匣)
と言う感じになる。僕はオリジナルイースの世代ではなく、ⅠやⅡはエターナルが最初だし、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴは未プレイだったのでこういう形でⅢが補完できたのはありがたかった。いまさら中古ショップ行ってSFCソフト漁るのもアレだし。

大作はめんどくさい、アクション系が好き、オーソドックスなRPGがしたい、という人にプレイを勧めたいゲームだ。

以下SS(クリックで拡大)
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【関連サイト】
Falcom
http://www.falcom.co.jp/
イース フェルガナの誓い攻略 ~極道~
http://gokudou.net/ysf/

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